1964年
ビートルズ売り出し中というタイトルのこのアルバムはクリスマス商戦に間に合わせる為に作られたなかば強引な作品です。録音はビートルズを包む熱狂とコンサートに追い回されている合間にされました。前作では全曲オリジナルだったのに、1・2作同様自作8曲とカバー6曲になってしまいました。疲れのせいなのか自作曲には憂いがあり、ジャケットにもそれが伺われます。よく言えば大人びた感じになりました。
特筆すべき曲は「エイト・デイズ・ア・ウィーク」でしょう。自作曲の中では底抜けに明るく、インパクトのあるメロディーで、心に残りやすい曲です。忙しくてリンゴが、「週に8日も仕事か〜」とボヤいたのがきっかけで出来た曲だそうです。
残念なのはやはりカバーが多いことです。チャック・ベリーの曲は非常にパンチが効いていてよろしいです。しかし、最後のカール・パーキンスの曲は非常にくだらないです。間奏のギター以外何の工夫もありません。アルバムを締めくくるにはまるで残念で、無い方がマシと思われます。