1970年
ジャグバンドというスタイルをご存知でしょうか?日本ではBEGINがジャグバンド風のことをやっていますね。洗濯板をかき鳴らしたり、バケツを叩いたり、タライとモップにロープを付けてベースにしたり、要するにガラクタ楽器を演奏するバンドのことです。さて、ニッティ・グリッティ・ダート・バンドは直訳すると「核心ゴミ楽団」とか「根本塵楽団」。何ともおかしな名前ですが、ジャグバンドがその根本にあり、ブルース、ブルーグラス、フォーク、ポップスごちゃ混ぜのカントリーロックバンドです。
このアルバムは彼らの最高傑作です。カバー曲ばかりですが、アレンジ力、コーラス、演奏力は素晴らしいです。メンバーそれぞれが多くの楽器を演奏できるので、手を変え品を変え最後まで飽きません。楽しい作品です。
「放蕩息子の帰郷」はカントリーロ ックの中のカントリーロックです。よく弾むドライブギターとハーモニカとコーラスが良いです。ギターにフランジャーをかけて少しワルな感じになっています。
「治療」はカントリーギターがさらにパッチンパッチン弾みまくりです。曲間にバンジョーが絡んで来て田舎臭くなります。
「ユーコン鉄道」はカントリー楽器総出動です。フィドルとハーモニカの掛け合いに引き込まれます。
このアルバムの一番のヒットは「ミスター・ボージャングル」です。色々な人が演奏していますが、ニッティ・グリッティのバージョンがもっともまとまりがよく抜けが良いと思います。
「プー横丁の家」も「ミスター・ボージャングル」に並ぶ好演出で中ヒットしました。